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開催日時:2025年11月23日(日)日本時間20:00〜22:00
場所:オンライン
文化芸術に関わる人々の権利と持続可能性を掲げた国際的な行動指針、「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter / FCC)」。
これは、文化芸術に携わる人々が直面する不公平や不安定な環境を改善し、持続可能で多様性を尊重する文化の実現を目指す国際的な指針です。ユネスコ文化的表現の多様性の保護および促進に関する条約(2005年)の実施のための一環として、2024年にドイツ・ユネスコ国内委員会等主導で公開され、現在9言語で展開されています。
美術の作り手と担い手のためのネットワークであるart for allでは、その日本語訳作成に協力してきました。憲章の最終ページには、翻訳協力として art for all のクレジットが記載されています。今回はこの日本語版の公開を記念して、FCCの内容や理念を多くの方に知っていただくため、美術分野における報酬問題をテーマとしたラウンドテーブルを開催し、出演者による最新の動向共有を出発点に、日本でFCCをどのように活用し、公平・公正で持続可能な美術の未来を形づくることができるのか、共に考える場を設けました。
🔗 日本語版はこちら
(Fair Culture公式サイト内 “The content of the Charter” → “Japanese / 日本語”)
【 出演 】※敬称略
坪井ひろ子 ₋ UNESCO「文化的表現の多様性の保護および促進に関する条約」エキスパートファシリティ
Artist Union Japan(AUJ):小田原のどか、言上真舟
Hokkaido Artists Union sStudies – HAUS(北海道)奥村圭二郎、戸島由浦、箱崎慈華、羊屋白玉
かわるあいだの美術実行委員会(鹿児島):原田真紀、さめしまことえ
art for all <美術分野における報酬問題>ワーキンググループ:木原進、作田知樹、湊茉莉、村上華子
【 イベント内容 】
フェアカルチャー憲章(FCC)の紹介と日本語版制作の経緯
坪井ひろ子氏による解説・国際的動向の共有
各地の実践団体による報酬・サステナビリティの現状報告
次のステップに向けたディスカッション(公開ラウンドテーブル)
【 対象 】
「美術分野の報酬」「フェアな文化環境」に関心を持つすべての方
美術・視覚芸術分野のアーティスト、関係者
文化政策・アートマネジメントに関心のある方
主催:art for all
助成:一般財団法人川村文化芸術振興財団
イベントは、まず先だって完成した、art for all 憲章の紹介を皮切りに、主に下記の3つのパートに分かれて進行しました。
1. エキスパートファシリテーターの坪井ひろこ氏による、ユネスコ文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約と、今回のフェアカルチャー憲章の概要についての説明
2. 今回参加のイベント団体による、それぞれの運営活動についての報告
3. 各発表を通しての次のステップに向けたディスカッション(公開ラウンドテーブル)

坪井ひろ子と申します。私は、ユネスコの「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」のエキスパートファシリティというグループに所属しております。これはユネスコの中に、全世界から70名程度の専門家が収集されているグループで、この条約の実施や促進に世界各国で携わっています。2011年からこの仕事をしており、地域、国レベル、あるいは国際的・全体的な流れの中で活動に関わってまいりました。
本日の報告は非常に盛りだくさんの内容ですので、まずは全体の流れをお話しします。
最初に、今回の「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter)」ができた背景、そして「MONDIACULT(モンディアカルト)」についてお話しします。これはつい最近開催されたもので、私も参加しております。次に、フェアカルチャー憲章の中身を紹介します。あわせて、この憲章が「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」と、そしてもう一つ、1980年に採択された「芸術家の地位に関する勧告」というユネスコの枠組みとどのように連動しているのかを整理しておきたいと思います。最後に、これら国際的な議論を日本に引き寄せ、日本におけるこれからの可能性について、皆様と一緒に考えていければと思います。
こうした一連の流れを通じて、この後のラウンドテーブルに向けて「芸術文化を巡って今、どのような対話がなされているのか」「それは誰が、どこで、どのように、そして誰の、何のために行われているのか」という問いを深めるための、一つの鍵を提示できればと考えております。
そもそも、なぜ今、この「フェア(公正・公平)」ということがこれほどまでに問われているのでしょうか。私たちの文化労働、あるいは芸術の現場を取り巻く状況を振り返ってみますと、そこには非常に多くの、そして深刻な課題が山積しています。
例えば、報酬の低さであったり、本来支払われるべき対価が支払われないまま行われている「隠れ無償労働」の実態があります。また、契約のあり方や支払いのプロセスの不透明さといった問題も指摘されています。さらに、ハラスメントや搾取の問題、あるいはジェンダーによる格差、地域による格差といったものも無視できません。こうした状況は、特に子どもたちや若者、障害のある方々、あるいはマイノリティといった、社会的に脆弱な立場に置かれやすい人々に、より大きな影響を及ぼしています。
加えて、デジタル化の進展による格差や、行政や組織の縦割り制度によって、どこが責任を持つべきなのかが曖昧になっているという現状もあります。こうした個別の課題が複雑に絡み合い、文化を支える「エコシステム(生態系)」そのものが危機に瀕している。そうした強い危機感があるからこそ、今や「Fairness(公正さ)」という言葉が、世界の文化政策における最重要のキーワードとなっているのです。
この問題を考えていく上で、どうしても基盤として押さえておかなければならないのが人権の話です 。特に注目したいのが、昨今「カルチュラル・ライツ」と言われている「文化的権利」、あるいは「文化権」を巡る議論です 。
この「文化的権利」や「文化権」という概念自体、現在進行形のものであるということをまず押さえておきたいと思います 。そのため、文脈によって「文化的権利」と言ったり「文化権」と言ったりしますが、ここでは両方の表記を併記して進めます 。
その大もとにあるのは、1948年に採択された「世界人権宣言」です 。そして、いわゆる「社会権規約」と呼ばれる「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」、さらに「自由権規約」と呼ばれる「市民的及び政治的権利に関する国際規約」があります 。日本はこの3つをセットにした国際人権規約を批准しています 。
これらの中に何が書かれているかというと、まず世界人権宣言では「文化生活への参加」といったことが記されています 。また、社会権規約では文化生活に「参加し、創造し、享受する権利」について、そして自由権規約の第19条には「表現の自由」が含まれていることが明記されています。
これらは国際連合の広報センターなどの訳でも確認できますが、キーワードとして「文化的権利」「自由」「尊厳」、そして「鑑賞から享受する」といった言葉がすべて網羅されています 。これらは私たちの権利として、非常に重要かつ、必ず押さえておくべき土台となります。
日本国内に目を向けてみますと、1947年に施行された日本国憲法の第25条においても、生存権の文脈で「文化的な最低限度の生活を営む権利」を有することが書かれています 。もちろん、他にも第13条の幸福追求権や第27条など、さまざまな条文を巡る議論がありますが、このあたりの話も今まさに非常にホットになりつつある議論といえます 。
この「文化的権利」や「文化権」を考える際には、4つの要素を考えたいと思います 。
これら4つの観点を踏まえることが、なぜ重要なのか。それは、この考え方があって初めて、「フェアカルチャー憲章」というものを実務のレベルに落とし込み、実装していくことができるからなのです 。いわば、この権利の体系を実装するための具体的な「原則体系」として持っていこうとする試みが、この憲章であると言えます 。
そして、この「文化的権利」という考え方に寄り添う形で今、ユネスコや国連で議論されているのが、「グローバルな公共財(Global Public Good)」、あるいは「善(Good)」としての文化という概念です 。
この「公共財」や「善」という言葉については、かつて「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」(2005年条約)が採択された当時の松浦晃一郎元事務局長とも議論をした経緯があります 。ユネスコからレポートが発行された際、その要約を翻訳して掲載したのですが、日本語として「公共財」とするか「善」とするかという議論がありました 。最終的には「財」という形に落ち着きましたが、そこには「善」という概念も含まれているという意味での言葉として捉えています 。
こうした「グローバルな公共財・善としての文化」という考え方と連動して発展してきたのが、今回の「フェアカルチャー憲章」です 。文化の公共性を支えるためには、何が必要なのか。そこから派生した議論の核心にあるのは、「フェアネス(公正さ)」こそが文化の公共性を担保するための条件である、という認識なのです 。
ここで、「グローバルな公共財(Global Public Good)」や「善(Good)」としての文化という概念が、実際に世界の大きな会議でどのように議論されてきたのかというお話しをします。その中心にあるのが、ユネスコが主催する、世界最大級の文化政策会議「MONDIACULT(モンディアカルト)」です。
このモンディアカルトには大きな歴史の流れがあります。1982年にメキシコシティで始まり、そこから「開発」という枠組みの中に文化を取り入れていく動きが加速してきました。そして、40年後の2022年に再びメキシコで開催された会議では、世界150カ国が参加して「大臣宣言」を採択しました。そこで「文化は世界の公共財、または善である」ということが、全会一致で高らかに宣言されたのです。
さらに、この2022年の宣言では、文化を「持続可能な開発(SDGs / アジェンダ2030)」の中の独立した大きな柱として位置づけるよう、具体的な行動を呼びかけました。この動きを受けて、直近の2025年9月にバルセロナで開催された会議では、163カ国の閣僚級を含む2,500人以上の参加者が集まりました。そこでは、文化がパブリックグッドであることを再確認し、ポスト2030のアジェンダ(次なる国際目標)の中に、文化を独立した目標として明文化して入れていくために取り組むことが宣言されています。
この一連の会議では、今後取り組むべき「9つの優先分野」が示されています。具体的には、紛争や災害時における文化の保護といった「文化と危機」への対応、デジタルアクセスにおける格差、そしてAIと文化の創造性の共存といった、今まさに私たちが直面している非常にホットなテーマが並んでいます。
特に重要視されているのが「人権としての文化的権利」です。芸術の自由をいかに守るか、そして「文化経済とディーセントワーク」という項目では、アーティストへの公正な報酬や社会保障をどう整え、持続可能な創造的エコシステムを構築するかということが議論の中心となっています。
このように、世界規模で「文化を公共財として守る」という合意が形成される中で、その公共性を支えるための具体的な条件として浮上してきたのが「フェアネス(公正さ)」です。この国際的な潮流を、現場の実務レベルの実装へと繋ぐ具体的なアクションが、これから詳しくご紹介する「フェアカルチャー憲章(Fair Culture Charter)」なのです。
この「フェアカルチャー」という運動は、ドイツ・ユネスコ国内委員会が主導しているもので、世界の文化芸術を取り巻くエコシステムそのものの持続可能性を促進しようという、非常に国際的な取り組みです 。2021年頃から、持続可能な開発のための研究や報告書を一つの鍵として発展してきました 。
この憲章の主な目的は、芸術家や文化の担い手を、労働者として、そして社会と経済へのかけがえのない貢献者として認めることにあります 。その上で、公正な労働条件と正当な報酬を確保することを目指しています 。現在、日本ではフリーランス法や労働基準法など、さまざまな観点から議論が揺れているところもありますが、ここでは広く「文化にかかる仕事に従事する人々」という文脈で捉えています 。
この憲章を支える法的な枠組み(バックボーン)として、4つの重要な柱があります 。
これらがセットになって、憲章の土台を形成しています 。そして、この憲章の具体的な行動指針として掲げられているのが「8つの原則」です 。これは、アーティストや文化の担い手だけでなく、団体、行政、企業など、みんなで共有するための指針として作られました 。
その第1回目にくる最も重要な原則が、「適正な労働条件と構成公平な報酬」です 。中身についてはリンク等でも詳細を確認いただけますが、まさに現場の切実な課題に直結する項目です。
そして、この憲章がもう一つ強く連動しているのが、1980年のユネスコ「芸術家の地位に関する勧告」です 。ユネスコの文化局内でも、2005年条約と同じセクションで扱われており、これらは常に両輪として並行して進められています 。この1980年勧告の中では、表現の自由はもちろんのこと、訓練、社会保障、さらには労働組合を組織する権利を認めることまでもが明確に記されています 。
つまり、フェアカルチャー憲章の原則は、これまでの国際的な勧告や条約の中で培われてきた概念を、現代の課題に即して実装可能な形に整理し直したものだと言えます 。
フェアカルチャー憲章の具体的な行動指針として掲げられているのが、以下の「8つの原則」です。これらはアーティストや文化の担い手だけでなく、団体、行政、企業など、すべてのステークホルダーが共有するための国際的な基準として提案されています 。
原則1:適正な労働条件と公正・公平な報酬 憲章の筆頭に掲げられているのが、この労働条件と報酬の問題です 。アーティストや文化に従事する人々が、安全で包括的な、適正な労働条件のもとで働き、その活動に対して適切かつ相応の報酬を得る権利を認めることを求めています 。これは個人の努力だけでなく、政府や公的・私的組織、そして市民社会が共同で負うべき責任として位置づけられています 。
原則2:多様な文化的表現や資源へのアクセス これは先ほどの「文化的権利」の議論でも触れた「アクセス」に関する項目です 。あらゆる人々が、多様な文化的表現に触れ、参加し、楽しむことができる環境を整えることを重視しています 。
原則3:差別の根絶とジェンダー平等 文化芸術の現場におけるあらゆる形態の差別をなくし、特にジェンダー平等の観点から、誰もが等しく機会を与えられるべきであることを強調しています 。
原則4:地域開発(地域発展) この「開発」という言葉の選択については、OECDや国際博物館会議(ICOM)などの議論も踏まえ、あえて長期的なニーズに応えるという意味で「開発」という言葉が選ばれました 。文化は地域の長期的な発展の鍵であり、足元である地域自治体や行政(UCLG等のネットワーク)と連動して、地域のニーズに基づいた文化振興を行うことの重要性を説いています 。
原則5:市場アクセス、特に世界的な貿易の不均衡や格差を是正することを目指しています 。文化的な生産物が公正に市場に流通し、地域や国を越えてアクセス可能になるための均衡を求めています 。
原則6:デジタル・エクイティ(デジタルの正義)と倫理 20年前には存在しなかったデジタル化やAIといった課題にどう対峙するかという、今まさに喫緊の課題です 。包括的な議論を進めながら、テクノロジーの進展において人権や倫理、公平性をどう守るかを問いかけています 。
原則7:環境への配慮とジャスト・トランジション(公正な移行) 気候変動への対応を含め、環境に配慮した持続可能な文化活動のあり方を目指します 。私たちの生活や権利を守りながら、いかに環境負荷を抑えた形へ移行していくかという視点です 。
原則8:市民と消費者の意識向上 フェアトレードの伝統的な考え方を踏襲し、最後は「社会の理解」で締めくくられています 。公衆の理解を醸成し、消費者がフェアな文化活動を支持するような意識を高めていくことが、エコシステム全体を支えるために不可欠であるとしています 。
これらのキーワード——人権、アクセス、多様性、公平・公正、デジタル正義、環境、社会の理解——は、文化の現場に具体的な指針を実装するための「国際基準」としての試みであるといえるでしょう 。
ここからは、このフェアカルチャー憲章の大きな後ろ盾となっている「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」について、少し掘り下げてお話しします。
この条約には非常に大きな特徴があります。それは、文化を単なる「商売道具」や「商品」として扱うのではなく、その特殊性を認めた上で、クリエイティブ産業の活性化や持続可能性、格差是正を目指している点です。背景には、1980年代から90年代にかけての、自由貿易の枠組み(GATTやWTO)で文化をどう扱うかという、米国とカナダ・欧州諸国の激しい通商問題がありました。最終的にこの議論はユネスコへと移り、2005年にこの条約が誕生しました。
ユネスコのこれまでの条約、例えば1954年のハーグ条約(武力紛争時の文化財保護)や1972年の世界遺産条約などが「過去から受け継がれた遺産」を主に対象としてきたのに対し、この条約は「現在進行形の文化」や、それを支える人々の権利に焦点を当てている、非常にユニークな国際法です。
ただ、残念ながら日本はこの条約をまだ批准していません。そのため、日本国内では「文化は公共財である」といった議論や、国際的な基準を政策に反映させる動きが、世界と比べて少し立ち遅れているという現状があります。
しかし、だからこそ、この「フェアカルチャー憲章」には大きな可能性があります。国が条約を批准するのを待つのではなく、現場の私たちが「国際基準」と直接つながるためのツールとして、この憲章を使うことができるからです。この憲章にある8つの原則は、現場の実務からボトムアップで状況を変えていくための強力な「武器」になります。
実際に、日本国内でもこうした国際的な視点を取り入れ、現場の課題解決に向けて動き出している事例が生まれつつあります。最後になりますが、私たちの活動はすべて「人権」という土台の上にあります。誰もが文化生活に参加し、自ら表現し、その恩恵を享受できる社会。そのために、アーティストの地位を向上させ、公正なエコシステムを皆さんと一緒に築いていきたいと考えています。ご清聴ありがとうございました。

art for allに参加しているアーティストの湊茉莉です。
本日は、art for allの活動、および主に美術分野における「報酬問題ワーキンググループ」での取り組みについて共有させていただきます。ここにおられる村上さんや木原さんをはじめ、一緒に参加しているメンバーがいるんですけれども、そのメンバーで、近年に実施した日本における美術分野の報酬に関するアンケート調査を2度にわたって実施しました。本日は、実際の声、その働いている現場の声や報酬の実態が届いている内容をここで共有させていただきます。その後、我々で作成している報酬ガイドラインの草稿の進捗具合を少しお伝えできればと思います。
まずart for allのサイトには、その目的や活動内容などが書かれています。art for allは、主に美術分野の関係者からなるプラットフォームということで、2020年のコロナ禍において、文化的・芸術的な営みが閉ざされていく危機に対し、芸術分野の生態系を損なわずにさらなる活力がもたらされることを目指して活動が始まりました。
その年の6月には、コロナ禍にも関わらず、2日間にわたり延べ約500人の美術関係者のオンライン会議を経て、美術に関わる人々への幅広い緊急支援を求める要請書をまとめました。4,700人ほどの賛同署名と共に、政府各省庁に提出したということも実施しています。その後も、複数の専門家を招くウェビナー企画や、知識共有の機会を提供するアーティストのための実践講座、アートコミュニティ活動、社会にとってアートの重要性と情報を発信する活動などを行ってきています。
その中でも、2022年から小笠原財団さんの助成を受けまして、「現代美術のエコシステム強化プロジェクト助成」を受けながら、サイトの図にあるような活動をそれぞれのワーキンググループに分かれて、AからFと呼んでいるんですけれども、そのように振り分けて活動を続けています 。私が所属しているのは「D」のワーキンググループで、美術分野における報酬問題を専門に担当しており、2022年から24年にかけて2回の実態調査を実施しました 。この活動の中で、ユネスコの坪井ひろ子さんからもお声がけいただき、今回のフェアカルチャー憲章の日本語訳にも協力させていただきました。
ここではアンケート調査の結果についても少し共有させていただきます 。こちらはチキラボさんにもご協力をいただき、小笠原財団さんから支援を受けて実施されました 。目的については、美術分野の活動発表に関する依頼や報酬のあり方について、より適正な形を実現していくため、アーティストの報酬および経費の支払われ方の実態把握を目的に行いました 。その結果をもとに、現在ガイドラインの策定を目指しています 。この調査は、海外のガイドライン調査も行う中で、イギリスのindustriaが作成し、a-nというところが実施した調査を参考にして設計しました 。
声が上がっている内容を見ていきますと、過去10年の中で行われた企画で支給された金額の総額については、0円がほぼ4分の1だったり、中央値は15万円、平均値は215,111円という結果が出ていたりします 。また、総額の中でも必要経費以外に企画の報酬に該当する金銭があったかという質問では、48%が報酬は0円だったと答えています 。
仕事内容についても、企画から広報まで展覧会に関わる多くの部分にアーティストが労力を割いていることが分かりました 。また、報酬や制作費とは別に旅費、滞在費、交通費などの予算はありましたかという質問では、6割の回答が、企画に予算が全くなかったという内容でした 。また、金銭の支払いは企画の終了後になるので、アーティストの金銭的な負担が大きくなるということも分かりました 。
その他の支援については、主催者側以外からの支援は受けていなかったり、終了後の作品の行方については6割がアトリエや制作場所に保管しています 。作品を後日展示販売できる状態にあるとは言えるのですが、その後の収蔵・販売があったと回答された方の中で、72.9%が0円で収蔵されているという回答も出てきています 。 また、仕事を開始する前に発注した側から報酬額、業務内容、旅費など経費の負担などは示されましたかという内容については、メール等あるいは契約を交わしたというのが3割ずつで、口頭が15%でした 。さらに、年齢と経験に照らし合わせて適切な報酬だったと思いますか、活動内容に照らし合わせて適切だったか、企画の規模に照らして適切だったか、といった質問に対しても、いずれも過半数が「いいえ」と回答しています 。他の関係者と比べて適切だったかという内容についても「いいえ」という回答でした 。
最後に、アーティストの報酬ガイドラインは必要だと思いますかという質問では、95%以上の方が「はい」と答えていただきました 。自由記述の場所でも、納得がいかない、アーティストフィーはゼロだった、支給されるものが不明瞭で不公平であった、制作費などを事前に示してほしいなどの声が上がっていました 。 これを受けて、現在ガイドラインを作成しております 。まだ草稿段階ではありますが、こちらはart for allのサイトの方でも読んでいただけます 。イラストはHATO文化編集部さんに依頼をしております 。最後になりますが、契約書の雛形を含めたものも、今年度中には完成できればと考えています 。以上です 。
アーティスツ・ユニオン・ジャパンの小田原と言上です。まずは小田原からお話をさせてください。我々の活動の紹介と、フェアカルチャー憲章の受け止めについてお話したいと思います。
まずアーティスツ・ユニオン・ジャパンについてですが、2023年に組織されました。おそらく初めての日本で現代美術家による労働組合で、1人から加入できる合同労組の支部という形で結成しました。多摩美術大学ユニオンの支部長をしていて、アーティストユニオンジャパンにはオブザーバーという形で関わっております。同じ労働組合の中の支部という関係性で、相互に様々助け合いながら一緒に活動しています。
1人から入れる合同労組が母体ですので、美術家としての労働の内容だけではなく、美術家と共に別の職場や別のアルバイト先を持っている場合でも、あらゆる働き方に対応できることが特長です。その上で個別具体的な問題の解決と、アーティストの労働環境を変えていこうというキャンペーンを両立して活動を展開してきています。
これまでの美術業界においては、美術家の労働者性というものがほとんど認められてきませんでした。美術家として活動している人たち自身も、自分たちが労働者として当然の権利を持っているという意識が、日本ではまだ十分に根付いていないと感じています。低い賃金であっても「好きでやっていることなのだから」と権利の主張を控えてしまったり、人間関係の中で仕事が回ってくるために契約の交渉がしづらかったりという、業界特有の空気がハラスメントを誘発する一因にもなっています。
アーティスツ・ユニオンは、アーティストやアートワーカー同士で競争を煽るのではなく、また対立を尖鋭化させるのでもなく、生態系全体を健全で持続可能なものにすることを目指して立ち上がりました。不当な事態に対する意見書の提出、弁護士を交えた労働・権利・契約に関する相談イベント、国際シンポジウムの実施のほか、大都市圏以外の団体とも積極的に連携し、地域の多様性を可視化する取り組みも進めています。
また、選挙の際には各政党に「公開質問状」を送付しています。文化予算の割合や報酬ガイドラインの整備について問い、その回答を公開することで、政治の場に「こうした問いを投げかけるアーティストの団体が存在する」ことを認識させています。内部でも、ハラスメントを当たり前としないための独自のガイドラインを定めています。
今回のフェアカルチャー憲章については、コミュニティ内、あるいは外部との対話のきっかけを作るものとして活用したいと考えています。分断を深めるのではなく、項目を一つずつ確認しながら、それぞれの状況を見つめ直す機会にしたい。そのために、私たちは事前にこの憲章の8つの項目について、それぞれの拠点の状況を言語化しながら確認し合いました。これについてはスウェーデン在住の言上さんから、現地の事例もふまえてお話しいただきます。
そこで改めて浮き彫りになったのは、日本と、例えばスウェーデンのような国との間にある、アーティストの地位や社会的な位置づけの違いです。例えば「原則1:適正な労働条件と公正な報酬」に関連して、海外ではアーティストが単に「物を作る」だけでなく、都市計画(シティプランニング)の初期段階から意思決定に関わり、独自の専門的な視点を提供することが質の高い社会作りに必要だと認識されている事例があります。
また「原則7:環境への配慮」についても、助成金制度の中で、環境負荷の少ない鉄道などの移動手段に対して、飛行機よりも手厚い予算枠が明記されているケースがあり、仕組みを通じてアーティストの意識が自然に変わっていく工夫が見られます。
私たちは、こうした憲章の項目を、他の団体の皆さんとも共有しながら、これからも対話を深めていきたいと考えています。以上です。ありがとうございました。
HAUSは正式名称を「Hokkaido Artists Union Studies」と言いまして、北海道内の芸術家の創作環境、労働環境に関する実践的な勉強会グループです。アーティストに向けて相談窓口を開いております。北海道のアーティストの活動環境がどのようにになっているのか、地域特有なことも含めてお伝えできればと思っております。
今回は美術分野の報酬問題が中心かと思いますけれども、HAUSとしては美術はもちろんのことながら、演劇、音楽、ダンス、マネージャー、テクニカルスタッフと、劇場スタッフなど、多種多様なアーティスト、アートワーカーの方々の相談を受けています。相談から見えてくる現状をテーマにして勉強会や、あとWeb上で「アーティストツリー」という、それぞれの活動を発信できるような仕組みを作り、アーティストがアーティストを支えるような循環を目指しているところです。
樹立は2019年秋です。「Sapporo Dance Collective」という舞台作品創作の中で、創作環境に関する相談があったことをきっかけとしてHAUSが樹立されました。その後、アンケートを取ったり、ハラスメントのガイドラインを公開したり、「アーティストやアートワーカーの労働組合が必要なのか?では労働組合(UNION)とはなんだろう?」ということで札幌の労働組合を訪ねてみたり、勉強会をしてきました。
そんな中、2020年にコロナ禍になり、北海道のアーティストもも仕事がない状態になりました。そこで札幌の文化芸術有志が集まり実態調査のアンケートチームが立ち上がり、HAUSも協力し、その結果をもとに、札幌市長宛に政策提言を行っています。その提言の中では、以前あった「札幌文化芸術未来会議」という、多様な表現分野の人が集まって、みんなで話し合うような会議の場を復活させてほしいということも求めました。
その後、2022年の4月から、「札幌文化芸術未来会議」を起点として「札幌市文化芸術創造活動支援事業」というものが始まりました。これは札幌市が中間支援団体を助成することで、その先にいるアーティストを支援したり、ネットワークを作ったりするという事業なのですが、そこにHAUSが採択され、予算をいただいて事業を行いました。現在はコロナ禍の緊急性はないですが、中間支援事業は続いています。
そこで実施したのが「ハウスサバイバルアワード」です。これは「困りごと」を募集して、それに対して金銭的な支援をしたり、人的支援をするというものです。困りごとでつながろうという裏テーマもありました。この公募の際には、あらかじめ「ハウス憲章https://haus.pink/charter/」というものを定めて、尊厳の尊重、差別の禁止、価値観のアップデート、暴力・セクハラ・パワハラの禁止、安全な創作現場の醸成といったことに賛同していただくことを条件に募集しました。
実際に集まってきた困りごとは本当にたくさんありました。例えば「LGBTQの表象を、グローバルスタンダードと創作の視点から学ぶ会をしたい。」という声がありました。また、「札幌を中心に活動をしている20代のバンドマンたちからミュージックビデオを作るための支援をお願いします」という悲鳴や、「芸術活動と並行してバイトをしていますが、そのバイト先で未払いが起こっている」という相談もありました。また、「仕事と子育てとで、心身の調子を崩してしまった」という切実な悩みもありました。
これらひとつひとつについて、金銭の支援をしたり、HAUSのメンバーが運営などの支援を行いました。その中の一つに、俳優やダンサーの方が自身の契約に疑問を持って企画した「アーティストと、ギャラと、働くことと、生活と。」という勉強会がありました。これは弁護士さんをお呼びしてオンライン講座を開いたのですが、その運営をHAUSがサポートするという形での支援も行いました。
2023年度以降も、劇場側からの突然の解雇通告であったり、芸術祭でのハラスメントであったり、あるいは公共施設での働き方について意見を言ったことで不利益を被ったというような、非常に長期化する重い相談が続いています。あるイベントのハラスメントの被害者の方に対しては、HAUSから新聞記者の方を紹介するといった、外に声を届けるためのお手伝いもしました。
現在は、2024年からフリーランス法が始まったり、特別加入労災保険が美術家にも適用されたりといった動きがありますので、そういったことを北海道のアーティストに広める活動をしています。全国芸能従事者労災保険センターとも連携しながら、北海道担当として相談を受ける準備をしています。最近は、相談の前段階の声を共有の場として「雑談窓口」でゆるりと対話しています。。

かわるあいだの美術実行委員会の原田と申します。どうぞよろしくお願いします。私たちは、いわゆるアーティストの支援団体ではないのですが、2020年に活動を開始しました。鹿児島を拠点とするアーティストのさめしまことえ、平川渚、木浦奈津子と、キュレーターである私の4人で活動しています 。
まず初めに、鹿児島の現状について共有したいと思います。鹿児島は公募展や県展といったものが活発で、地元の画壇の影響力が強い場所であるという印象を持っています 。また、鹿児島は近代絵画の巨匠と言われる黒田清輝、藤島武二、和田英作といった画家たちを輩出した県でもあります。そのため、鹿児島市立美術館は九州でも比較的古い美術館なのですが、近代絵画などを中心に自主企画などの展示を行っている状況です 。
一方で、県内には美術大学がないため、美術を志す学生は一定数いても、県外で学ぶ機会が多くなります。戻ってきても、それを発表したり活動したりする場所やギャラリーが限られ、価値の定まっていない表現に対して関心を寄せる人も限られているような状況だと言えます 。
このような状況に対し、私たちは、現代美術に触れる機会が限られているからこそ、まずは実際に作品を見てもらう体験を促すために、現代美術展の企画を開催したり、鹿児島コミュニティシネマと共同で月に1回のトークを開催したりしています 。活動の目標は、鹿児島に誰もが臆することなく表現できる土壌を作っていくこと、そして現代美術を語り合える開かれた機会を創出することを目指しています 。
スライドで紹介しているのは、2021年に開催した「生きる私が表すことは。鹿児島ゆかりの現代作家展」です 。この展覧会は、私たちが活動を始める大きなきっかけになりました。同年、鹿児島市立美術館が20年ぶりに現存作家の自主企画展を開催することがわかり、それと同時期に開催することで鹿児島の現代美術シーンを盛り上げていきたいと考えたものです 。この時は、6人の鹿児島ゆかりの女性アーティストに参加してもらいました 。
2023年にも、市内の2箇所で展覧会を開催しました。これも鹿児島市立美術館主催の展覧会「夏フェス タグチアートコレクション展」と時期を合わせています 。この時は霧島アートの森でも「飯川雄大展 デコレータークラブ:未来のための定規と縄」展がありましたし、隣の熊本のつなぎ美術館では「小田原のどか 近代を彫刻/超克するー津奈木・水俣編」」が開催されていました。それら3つの展覧会が重なるタイミングに合わせて開催しました 。2024年には県外からゲストアーティストを招き、美術館ではなく図書館というより開かれた場所で開催したり、街中のデパートの中で小田原のどかさんを招いたトークイベントを行ったりもしています 。
今回、フェアカルチャー憲章をどのように受け止めたかについてですが、この憲章は、表現者や観客、政府機関、子どもなど、それぞれの立ち位置や組織規模の大小に関わらず、誰もが関わりあるものとして書かれており、それぞれが目指すべき姿が浮かび上がってくるものだと感じました 。 また、女性や地位の低いコミュニティに属するアーティストといった、社会的マイノリティへの配慮が明文化されていることはありがたいと思いましたし、地域開発の部分も、特に地方で活動している私たちにとっては非常に関わりのあるものだと思っています 。
鹿児島にいると、情報の獲得や活動・発表の機会において、中央との格差を感じることがあります 。鹿児島の美術関係の公共施設や団体における報酬や展覧会の委託費を見ても、美術作家やアートワーカーの専門性がどこまで理解されているのか疑問に思うことも度々あります 。昨年、小田原のどかさんに「アートワーカーと権利」という題でトークをしていただいた際には、ユネスコ総会で採択された「芸術家の地位に関する勧告」の紹介や契約の話をしていただきました 。これがおそらく、鹿児島で初めてアートワーカーの権利や労働環境について学ぶ機会になったのではないかと思います 。
このイベントに参加すること自体が、鹿児島で私たちの活動に興味を持ってくださる方に、フェアカルチャー憲章を知っていただく機会になると考えています 。そして今後、鹿児島の文化政策を考えるにあたって、必要に応じてこの憲章を一つの拠り所にしながら、提案や交渉を行っていけるのではないかと期待しています 。
また、本イベントの後に、鹿児島県や鹿児島市の文化振興課などに対して、フェアカルチャー憲章の日本語版があるということ、今回のイベントの内容を簡潔にまとめたものをメールで送ろうと考えております 。以上です。
木原進(以下木原): まずは坪井さんの方から、これらの報告を受けて、何かコメント頂けますでしょうか。
坪井ひろ子氏(以下坪井氏): 皆さまの大変素晴らしい取り組みをお教えいただき、本当にありがとうございます。とてもわくわくしながら聞いておりましたが、非常に連動しているんだなと、改めて実感しています。
日本の議論においての、例えばフェアカルチャーとしてはまだ小さくても、そこで行われている理念とは本当にちゃんと連動しているんだなということ。その点に感銘を受けたところです。それぞれの取り組みのところで様々なキーワードが出てきたと思います。少し整理しながら見ていきたいのですが、まずart for allで湊茉莉さんがおっしゃってくださった、アーティストの報酬ガイドラインに向けたアンケート調査というものの、その内容の衝撃というのもあるんですけれども、やはりそのアンケートを実施するその「力」というところをすごく感じたんですね。
というのも、ユネスコから1980年に出された「芸術家の地位に関する勧告」というものも、定期的に調査をしているんですね。その実施に私も参加というか関与しているのですが、特にやはり日本に向けて、どの方が何について語るのかというところが非常に気になっていたところでした。 前回は2022年の年末から2023年の頭にかけて、グローバルな世界的な調査として、「芸術家の地位に関する勧告」の実施状況について展開していたところでした。そこでart for all様にももちろんお声がけしたり、日本の市民社会団体というか、いろいろな団体にもお声がけをしながら、「できるだけ声を出してください」とお願いしたところではあったのですが、やはりそういうもののデータを、その後どのようにまとめて活用するかというところで、非常に力を感じます。
例えば、アーティストユニオンジャパン様もそうですし、HAUSの方々皆さまも、やはりその作品制作にどのようにつなげるかというところをしっかりと踏まえた上で、そういうデータや状況を声として、そして伝えていくところの強さ。そこにすごく魅力を感じますし、やはりその力を感じるんですね。そういう時に活用できるものとして、データはアドボカシーのための強力なツールの1つだと私は考えています。
そして、そこと連動するのが、例えば国際的な規範であったりガイドラインであったりします。今回であればこのフェアカルチャー憲章のような、国として参加しているかどうかという条件や、条約とはまた別の、大きな緩やかな世界的な運動としての、誰でも参加できるという点。そこのところに、すごく大きな可能性があるのかなと感じたところでした。
やはりそういった何かにつなげていくというのは本当に大変なことで、そうでなくても団体として活動を続けるということ、個人の仕事や活動もありながら繋がっていく、繋げていくというのは、本当にすごくエネルギーのかかるところです。しかし今お話を聞いていると、「私たちだけではないのだな」という、いろいろなところで同じような方向を向いていらっしゃる方がいて、そこで繋がるということは、やはりすごく大事なのだなというのを改めて感じた次第です。
アーティストという本当にユニークな働き方は、例えば2005年条約の枠組みでもそうなのですが、結局、文化多様性条約というものは、やはり文化の経済的な側面や社会的な側面に光を当てて話を展開していくというところでまとまっていった経緯があるので、そこに関わっていたのは、やはり当事者たちなんですよね。そこに関わって声を上げていたのはアーティストの方であり、その方たちの団体でした。そういう個人レベルと、コレクティブなグループとしての繋がりの力というものは、やはり日本ともすごく連動しているなと思った次第です。ありがとうございます。
村上華子(以下村上): 繋がっていると坪井さんの方でも感じていただけたというのは、我々にとっても非常に励みになります。
木原: そうですね。我々はアーティストの報酬問題を考える活動を、art for allの中でやってきましたけれども、他の皆さん、鹿児島での活動、北海道での活動、それからユニオンとしての活動、皆さんの活動の方がと言ってしまいますけれども、我々よりも今のフェアカルチャーチャーターに直接繋がってるような印象を受けました。やはり具体的に、実際の地域の中で行っていることと、労働者と繋がっているということの強さをとても感じてるので、我々も見習わなければならないなと強く感じています。
村上: それでは各団体の方から、フェアカルチャーチャーターを受け止めてのお考えや、坪井さんへの質問などを伺えればと思います。
小田原のどか氏(以下小田原氏): アーティスツ・ユニオン・ジャパンから坪井さんにぜひ質問したいことがありまして、フェアカルチャー憲章を活用して具体的に変化があったとか、こういう交渉が行われたとか、そういう事例があったら、ぜひ教えていただきたいです。
坪井氏: はい、ありがとうございます。具体的な事例のお話については、今まさにまとめ始めているところでして、私の方から現時点でこのようなことをやっているとお示しするのがなかなか難しいところもあるのですが、一方で、これからアートに関わっていこうとしている若者への取り組みとして、彼らに対する啓発といいますか、アドボカシーが現在力強く展開されております。2025年の9月、10月に行われた会議においても、若者という視点、そしてジェンダーの話というところに非常に焦点が当たっておりました。やはり今の地政学的な状況、これはずっと続いてきていることでもありますが、様々な紛争や災害などがある中で、どのような形で安全、それこそ本当の意味での身の安全を考えられるのかというところの拠り所として、このフェアカルチャー憲章を使っているという話は個人的にも聞いているところです。 また私は今回、スイスからこのイベントに参加をしているのですが、欧州でよく聞く話として少し紹介したいことがあります。それは助ける、助けられる側という話だけではなく、やはり公平な状況での、お互いの共存の在り方についてです。そういうところにフェアカルチャー憲章がどのような観点で取り入れられるかという議論は、このあたりでも結構活発になってきていると感じています。例えばそれはユネスコのモンディアカルトの枠組みだけではなく、国際的なアーツカウンシルの連盟や、世界の自治体連盟のような、地方自治体などとの議論でもよく耳にします。先般は欧州議会の方でもヨーロピアン・カルチャー・コンパス(Culture Compass for Europe)というものが発表されていますが、あのあたりの動きを歓迎しているのも、フェアカルチャー憲章に関わっている方々と同じような層であったりします。そういう意味では、やはり様々なことを踏まえた上での議論が、着実に進みつつあるのだなという感触を受けています。
また今回のイベントをきっかけに、これからも継続して、皆さまにご報告や、今回のような情報共有を是非させていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
木原: ありがとうございます。ではHAUSの方々はいかがでしょうか?
奥村圭二郎氏(以下奥村氏): これまでのお話を聞いて思ったことですが、HAUSは中間支援団体で、アーティストの方々の相談も受けますし、また一方で札幌市行政との繋がりもあるため、フェアカルチャー憲章についてのことや、人によっては自分とは遠いの話のように聞こえるかもしれないようなことを、もっとアーティスト向けにはこういう風に話すとか、行政向けにはこういう風に話すといった翻訳をしていく必要がある、使い方の工夫が必要なんだなということを今回学ばせていただきました。ありがとうございます。
坪井氏: ありがとうございます。それは本当に大事な点だと思います。というのも、コミュニケーションを測ることはとても大切だけれども、一方で非常に難しいことだなというのは日々痛感してるところで、お互い分かろうとしながらも分かり合えないというジレンマという中で、我々ももがいている部分があります。そのためにもやはり少しずつでも、同じ共通の言語や表現を作っていくことが大変重要なんだなとというのは、様々な現場を見ていて私も感じるところでしたので、今仰ってくださった行政用の伝え方なども意識することにつながるなと感じております。
木原: ありがとうございます。合わせて、地方自治体が直接そのフェアカルチャーチャーターを承認することも、可能性としてはあるかなと今のお話を聞いていて思ったのですが、その辺りはいかがでしょうか。
坪井氏: はい、可能性は大いにあります。というのも、この憲章は現在約170の団体が賛同しております。日本からは日本芸能従事者協会様と、それから私も立ち上げ人の一人である、Culture All Nipponという団体が賛同しています。Culture All Nipponはコロナ禍で様々な動きがあった時に、ユネスコが呼びかけて開催されたレジリアートというオンラインのディベートイベントのオーガナイズを行い、芸術分野に関する方々が当事者として声を発して社会と共有できるようにしようという1つのムーブメントを起こしました。その時は河瀬直美さんや別所哲也さん、MIYAVIさん、平田オリザさん、向井山朋子さんにご登壇いただき、2時間にも及ぶ本音でのお話をすることができました。その後も、ジャンルを超えたネットワークとして、緩やかにでも連帯していこうという形を作っていきました。まだまだこれから日本は伸びていくだろうなと期待はしているところです。現在フェアカルチャーチャーターは中国語が追加されたことで10カ国語の展開になりました。今後も大きく変わっていくことに期待しています。中国語の前はアラビア語だったのですが、アラビア語が入ったところで、サウジアラビアやUAEなど中近東の国々がとても興味を示してくださって、一緒に連携していこうという動きも見えてきました。ラテンアメリカの方の国々に目を向けると、国よりもむしろ地方自治体のレベルで村の若者たちが中心になって動いている例もあります。
またフェアカルチャーチャーターはいわば発展途上中であり、生きた文書でもあります。すなわちこれからもその状況に応じてみんなで考えていこうという形になっております。文言に関しても、賛同団体の中からこの文言を変えたいという声が上がってくると、関係各所にそれについての討議が呼びかけられます。一つの大きなプラットフォームとして文化や芸術というものをどのようにフェアネス、公平性とつなげていくかという議論に参加する意味でも、非常に重要だと考えています。
木原: とても素晴らしいですね。地方自治体への繋がり関連で、鹿児島の、かわるあいだの美術実行委員会の皆様のあの反応も聞けたらなと思いますが、さめしまさんはいかがでしょうか?
さめしまことえ氏(以下さめしま氏): 感想のような形になってしまうのですが、フェアカルチャー憲章の公平性というお話を聞いて、私が鹿児島で表現活動をしている今の状況では、公平ではないことが当たり前な現状にいるのだなと思いました。
表現をすること、美術をすることが、本当に一部の限られた、生活が豊かな人である証のようなところもあります。またジェンダーの問題や、それこそ家柄や出身地までもが評価の中に入るのかなと思ったりすることもあります。あとはハラスメントに対しても、我慢するのが良いことという状況で、表現がなかなか自由ではありません。何かしらの型にはまっていく、あるいは、はまるように努力していかなければならないと、作家自身も思ってしまうような状況が今あるような気がしています。
しかし、それは実は公平ではないのではないか、本当は少し違うのではないかということに、当事者である作家や展覧会を企画する人自身が気づいていくことが、変化を少しずつ生むのではないでしょうか。やはり現代アートの表現を見せていくことや、アーティストの権利に関わるトークを主催していくことが、少しずつではありますが、変わっていくきっかけになればいいかなと思っています。公共へのアプローチについてのお話は、原田さんにお願いいたします。
原田真紀氏(以下原田氏): 公共へのアプローチについて、先ほどの報告でも少しお話しましたが、我々は先日実際に鹿児島市の文化振興課に対して提案し、その回答も受け取りました。今はそこからまたどうしようか、一旦ストップしているところもあったので、今回のこのフェアカルチャー憲章について、国際的な基準に接続できる強力なツールを私たちは手に入れたと思っております。そしてまたこれを読み返し、改めて私たちからもレスポンスをしたいなと考えております。以上です。
木原: ありがとうございます。今の状況がとてもよく分かったと思います。 鹿児島や北海道が先んじて、そうしたことを掲げていくことで、政府に対する突き上げにもなるかもしれないなと思いました。
村上: 今回ご参加いただいているメンバーは、北海道や鹿児島、更には海外からの方もいらっしゃっております。このことで一つ思い出されるのは、昨年小田原さんが企画された、「美術を脱中心化する」というイベントです。今回の参加者で、東京からというのがマジョリティではないという状況が、その脱中心化を思わぬ形で実践しているように感じられました。そのことがフェアカルチャー憲章を皆で共有するきっかけにもなったというのが非常にありがたいことだなと感じました。
木原: ではart for allの受け止めとして、作田知樹さんのコメントを聞かせていただけますでしょうか。
作田知樹(以下作田): 例えば先ほどフリーランス新法の中には最低賃金に関する記述がないという話がありました。そのような部分も含めて、現状、実際にどれくらい、例えば報酬というものがしっかりと支払われていないのか、もしくは他の形のものに変えられて現金で適切に支払われないようなことが横行しているのか。そうした点は、やはり共通の関心事なのだなと感じています。
また、私もたまたまアメリカの芸術関係の調査などを知っているのですが、アメリカでもやはりそうしたことに関して、例えば公的な資金を支払う基金などで、アーティストに現金をしっかり支払うことをプロジェクト評価の柱の一つにするというケースがありました。要するに、助成金がもらえるかどうかの評価軸の一つとして、そうした項目を掲げているのです。アメリカはヨーロッパほどはっきりとこうした問題を提起している人が少ないとはいえ、やはり世界的な問題なのだなと改めて思いました。
一方で、日本ではまだそのような仕組みが、例えば助成金を出す側などで十分に実装されていません。私もアーツカウンシルや国際交流基金にいた経験のある身としては、やはりそうした場所に働きかけをしていく上で、今回のフェアカルチャー憲章というものは、今後非常に役に立つだろうと考えています。
他の事例なども集めてきたいという点についても、私もそのような仕事をしておりますので、皆さんに貢献できたらと思っております。今後もこうした情報交換を続けていけるような繋がりを、是非よろしくお願いいたします。以上です。
村上: ありがとうございます。アーティストには最低賃金がないというお話は、確かHAUSの白玉さんのご発言だったかなと思いますが、白玉さん何かコメントございましたらお願いいたします。
羊屋白玉氏(以下羊屋氏): はい。素朴にそう思ったのですけど。、フリーランスにとって労働法に当てはまるフリーランス法には、最低賃金が定められてないから、委託側も報酬額を曖昧にすることができる。なので公的扶助制度になってないんだと思います。このことは、いつか、誰かと話せたらなとはいつも思っておりまして、ここでも話題にしてみました。
村上: ありがとうございます。それはまさに、art for all内の芸術分野における報酬問題のワーキンググループでも、最も大きな課題の一つになっていますので是非一緒に考えていけたらという感じですよね。
木原: 私自身は、その点についての考えがまとまっていない状態で全然良いと思っていて、要は先ほど鹿児島の方が、当事者が気づいてくれることが重要だって仰っていたと思うんですけれども、やはりそういう実感、本当にそう感じてしまったという点が一番大事だと思いますので、この場で言っていただいて本当に良かったなと思います。
作田: やはりこうした場で、連名で働きかけを行うことはもちろん、フェアカルチャー憲章に賛同することも重要ですが、実際に国内で支援を担っている財団の方々に対し、より良い形で助成金が活用されるよう働きかけることも必要です。あるいは、社会の中でそのような取り組みに価値があるのだという認識を広めるために、例えば助成要項の中に「アーティストへの適切な支払いを遵守すること」を明記してもらうよう共同で提案することなども、今後の活動における方向性の一つではないかと考えております。
木原: ここで残り時間も少なくなってきましたが、イベント参加者の方からご相談をいただいておりましたのでご紹介いたします。
「私はユネスコのフェアカルチャーチャーターに大変感銘を受けました。これを自分の地域の他のアーティストや関連する人たちに共有していきたいのですが、どのように始めたら良いでしょうか?例えばシンポジウムなどでお話ししてくれる方をお呼びするなどの場合にはどのようにお話を相談したら良いでしょうか?」
この質問を受けてですね、このフェアカルチャーチャーターへの参加・賛同がまさに我々のような、ここに集まってる人たちの次のステップなのかなと思います。それについて、坪井さんに是非ご案内いただければと思いますがいかがでしょうか。
坪井氏: はい。ありがとうございます。大変嬉しいです。 ご質問と、それからご指摘も本当にありがとうございます。
まず一点だけ申し上げたいのが、これはユネスコの「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」の実施の一環として作成され、実装しているフェアカルチャー憲章で、ユネスコが作ったものではありません。ドイツユネスコ国内委員会とフランス、韓国、ケニアが中心となり、市民社会団体などが一緒になって作っているものです。
とはいえ、ユネスコの「文化的表現の多様性の保護及び促進に関する条約」、それから「芸術家の地位に関する勧告」と連動している一つの国際基準ができたということで、ユネスコ側ももちろんバックアップしています。例えばユネスコ文化局でフェアカルチャー憲章で扱っているような問題がテーマとなる場合には、フェアカルチャー憲章の青いロゴが必ず使われるようになっています。
そして、このフェアカルチャー憲章について、是非ご共有いただきたいと思います。まず読んでいただいて、どのような方々がどのような考えを持って運動として進めているのかというところを、是非ご覧になっていただければと思います。 この憲章は個人から団体まで、誰でも参加できますし、誰でも賛同できるものです。一口に団体と言っても、国の機関や準機関と呼ばれるようなユネスコ国内委員会から市民社会団体など、また国際的な連盟のようなところから地域のネットワークまで、あるいはローカルなコミュニティで参加されているところもあります。
いつでも賛同を募っておりますので、是非ご協力いただければと思います。私に直接ご連絡いただければフェアカルチャー憲章のことについてお話しいたしますし、ドイツ国内委員会が所管しているフェアカルチャー憲章のホームページの方に直接ご相談いただくことも、もちろん可能です。文化について様々な方が関わっているこの世界では、何がフェアで何がフェアでないのかという、まさにその素朴なところから考えていくというものが、今まさに運動として展開し始めているところです。いろいろなところで実りになることを願っています。やはり政策だけでは実現できないですし、かといって現場だけでもできません。まさに皆で一緒に取り組みたい部分ですので、今後とも是非皆さんと一緒にお話ができたらと思っております。本日は本当にどうもありがとうございました。
木原: ありがとうございます。では最後に、参加いただいている各団体の皆さんから一言ずつ頂いて終わりにしたいと思います。まずはArtist Union Japanの小田原さんと言上さん、お願いできますでしょうか。
小田原氏: こういう機会を作っていただけてとてもありがたいです。他の団体の皆さんが取り組んでいることと、直接的に接続して進めていけることがあると分かりました。期待したいのは、かわるあいだの美術実行委員会の皆さんが、フェアカルチャー憲章を行政の方たちにもお伝えして話し合いを進めていくと仰っていて、鹿児島が日本で最も早い変化の事例になるのではないかということです。もし何か今後動きがありましたら、共有していただきたいです。本日はありがとうございました。
言上氏: 私としては、先ほどさめしまさんがおっしゃってたような、アートに関わる問題をずっと感じていまして、アートは人の生活を良くするものであって、決してお金持ちのデコレーションや富裕層の特権ではないんだという形に変わっていけるようなきっかけに、このフェアカルチャー憲章がなっていくと良いなと思っています。 もっと子どもや若い人が美術館に無料で入場できるようになったり、そういった子どもたちが大人になっていくまでには20年30年かかると思いますが、その時にアートが皆の生活により関わっているものになっていくと良いなと感じました。どうもありがとうございました。
木原: ありがとうございます。ではHAUSの皆さんからも一言ずついただけますでしょうか。
箱崎慈華氏: 本日は参加させていただきありがとうございました。非常に勉強になりました。 また、改めてお話を伺っていて、フェアカルチャ―憲章でも一般市民と消費者の意識という部分の言及があったのがすごく印象的で、札幌や北海道ですと、アーティスト専業というよりは、アーティストとして暮らしていながら、実際には他の仕事も持っているような方が多く、そこの垣根が少ない方なのかなという感覚もありまして、そういった点でも「アーティスト」と「一般市民」というよりは、もう少しそこが混ざっていくような活動をやっていけるのでないかと感じました。
奥村氏: フェアカルチャ―チャーターの文章ですが、以前坪井さんの話を伺って読んでみたことがありまして、本当に様々な環境や労働の分野と紐付けて書かれているので、なんかそういった辺り、その地域性の日本の中での地域性の違いとかもあると思うから、なんかその辺りこう紐付けて話していけるとなんかよりあの関心が広まってくのかなっていう風にはちょっと読んでて思いました。はい、今日はありがとうございました。
戸島由浦氏: 奥村も言っておりましたが、やっぱり多様な要素が盛り込まれてますよね。 そしてこの憲章を現場にどう適用するかは、分野や地域によってかなり違うと思います。私はアートマネジメントをやってるんですけれども、そういう時に取引を持ちかける立場に立つこともあります。関わる人たちと対話していけるように、そして札幌の中でも同じように活動している人たちと話していけるような環境になっていくといいなと思います。ありがとうございました。
羊屋氏: 札幌の現場で中間支援などをしておりますと、このフェアカルチャー憲章の話については、準備する時間が必要だなと思っています。兼業のアーティストが多いので、仕事して創作してという生活の中、もう少し手前の環境ありきなのかなと思うのですが、それでも、いわゆる両輪のような形で動いて行きたいです。。
個人的には、本日伺ったお話などをできるだけ多くの人と共有したり、そのような対話の場を少しずつ広げていきたいと考えています。ありがとうございました。
木原: ありがとうございました。 では、かわるあいだの美術実行委員会の方々、一言お願いいたします。
原田氏: 本日は学びの機会をいただきありがとうございました。鹿児島から先陣を切っていけるよう、頑張っていきたいと思います。私がフェアカルチャー憲章を読んで感じたこととしては、是非若い人たちに読んでもらいたいなということです。希望を持って制作や活動につなげてもらいたいなと思いました。ではそのための手立てをどうしたら良いかということも考えておりまして、今はとにかく学生の方などに早く届けたいと思っています。以上です。本日はありがとうございました。
さめしま氏: 先ほど羊屋さんのおっしゃったように、本当に手前のところでの苦労が多すぎて、なかなかたどり着くのに時間がかかるのではないかという感じもするんですけど、今ここにいらっしゃる皆さんがこのように応援してくださることで頑張っていけるのではないかと思いました。ありがとうございました。
村上: 皆さまありがとうございました。とても個人的な感想を言いますと、私自身も海外で活動してもう10年以上と長いですが、art for allの報酬問題の活動の中で、海外における報酬ガイドラインの翻訳をしていると、日本だけが遅れていて、他の国はとてもよくやっているといった感じに受け取られがちです。しかしフランスで実際に活動を続けていると、つい先週にあったことですが、フランス国内での展示でのアーティストフィーを自分のギャラリーが展示先に要求したところ、展示すること自体が大変な名誉だからアーティストフィーを払うのはおかしいとはっきりと言われてしまったそうです。このようにまだまだ驚くことも世界中で起こっていますので、フェアカルチャーチャーターにも書かれているようなことがどんどん浸透していくと良いなと心から願うばかりです。本日はありがとうございました。
湊: 今回坪井さんのお話で、フェアカルチャーチャーターの成立に至るまでの権利の歴史について触れることができ、またHAUSさんやかわるあいだの美術の皆さんとは初めてお目にかかって、その地域ごとの問題や考え方に触れることができ、改めてこういった繋がりって良いなと認識しました。問題点もあるので辛いところもありますが、そうやって分かり合えるというか、共有できるっていうことがすごく良いことだなと思いました。また私も個人的に近く控えている展示で、著作権についてアートセンターとの考え方が全く合わず、そもそも支払うこと自体の考え方が理解できないっていうように言われてしまって、がっくりきておりました。また引き続きどうぞよろしくお願いします。本日はありがとうございました。
この後、木原の進行によりイベントは締めくくられ、実りある形で終了いたしました。
art for allではこれからの美術の問題に対して積極的な話し合いの場を設けたいと考えています。また引き続きアーティストやアートワーカーのためになる、様々なイベントを企画しております。アーティストやアートワーカーの中でどのようにコミュニティを作っていくのか、また例えば何かの掲示板や物々交換の場、アルバイトや設営の手伝い、素材の売買の場など、どういうコミュニティに興味があるか、あるいは今後の活動の中でどのようなことを art for all にやってほしいか、更には自分が困ってることについての相談など、現在企画中です。今後ともどうぞよろしくお願いします。art for all の X や Facebook、メールニュース、ホームページもありますので是非チェックしてみてください。